経営・管理ビザ厳格化後、既存保有者は2028年までに何を準備すべき?3,000万円・常勤職員・更新実務を解説
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経営・管理ビザ厳格化後、既存保有者は2028年までに何を準備すべき?
結論は、2028年まで何もしなくてよいわけでも、現在3,000万円がなければ直ちに帰国になるわけでもない、ということです。事業の現状と新基準に適合する現実的なロードマップを早めに確認する必要があります。
2026年上半期、経営・管理保有者953人が再入国許可を得ずに出国
e-Statの出入国管理統計を月別に集計すると、2026年1~6月に「経営・管理」の在留資格で出国した人のうち、再入国許可を得た者を除く人数は953人でした。前年同期は246人で、約3.9倍です。
| 期間 | 人数 | 比較 |
|---|---|---|
| 2025年1~6月 | 246人 | 前年同期 |
| 2026年1~6月 | 953人 | 約3.9倍 |
制度改正が原因と断定はできません
この統計は出国者数の増加を示しますが、個々の出国理由や制度改正との因果関係までは示していません。「新制度によって953人が追放された」「全員が3,000万円を準備できず離日した」という意味ではありません。
経営・管理の新基準は2025年10月16日に施行
出入国在留管理庁は、常勤職員、資本金等、日本語能力、学歴・経験、事業計画、事業所と経営実態などの基準を改正しました。新規取得向けの全体像は、経営・管理ビザの新基準解説もご覧ください。
既存保有者は2028年10月16日までどう扱われる?
改正前から経営・管理で在留している人について、2028年10月16日までの更新では、新基準を満たしていないことだけを理由に直ちに不許可とはされません。
ただし、旧基準がそのまま保証される期間ではありません。経営状況、新基準への適合見込み、法令遵守、納税、社会保険、許認可その他の事情が総合的に確認されます。必要に応じ、経営に関する専門家の評価文書を求められる可能性もあります。
2028年までに確認すべき新基準と実務
| 項目 | 新基準・審査事項 | 今確認すること |
|---|---|---|
| 資本金等 | 法人は払込済資本金または出資総額3,000万円以上 | 現在額、増資可能性、資金源と形成経緯 |
| 常勤職員 | 対象者を1人以上雇用 | 国籍・在留資格、勤務実態、給与 |
| 日本語 | 本人または常勤職員がB2相当 | 立証方法と担当者 |
| 学歴・経験 | 経営管理経験3年以上、または関連する修士・博士・専門職学位 | 学位証明、在職・経営経験資料 |
| 事業計画 | 新規事業は専門家による確認 | 数値根拠、収益性、実行可能性 |
| 事業所・実態 | 継続的な事業所と実質的な経営活動 | 賃貸契約、設備、本人の意思決定 |
| 法令遵守 | 税、社会保険、労働保険、労働法、許認可 | 未加入・未納・期限切れ・届出漏れ |
3,000万円は売上・預金・経費との合計ではありません
法人の場合、株式会社の払込済資本金、または合同会社等の出資総額が基準です。年商、会社口座の一時的な預金残高、従業員給与、事務所維持費を合算して3,000万円とするものではなく、資本準備金・利益準備金も資本金等には含まれません。個人事業では、事業所、1年分の従業員給与、設備など事業に実際に投下した総額を確認します。増資だけで許可が保証されるわけではなく、資金源、事業継続性と他の基準も審査されます。
常勤職員と日本語B2は別々に確認する必要があります
常勤職員1人以上
対象は、日本人、特別永住者、または別表第二の在留資格である永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者です。技術・人文知識・国際業務など別表第一の外国人社員だけを雇用しても、この雇用要件は満たしません。
日本語能力B2相当
申請人本人または常勤職員が満たします。JLPT N2以上、BJT400点以上のほか、日本での在留・教育歴による立証方法も公式資料に示されています。日本語能力の担当者には別表第一の外国人職員も含まれ得るため、雇用要件とは分けて判断します。
事業所と実際の経営活動
事業所は事業目的で継続して利用でき、事業の規模・内容に適した実態が必要です。改正後の規模では、住居と事業所の兼用は原則として認められにくくなっています。バーチャルオフィスやシェアオフィスも名称だけで一律に判断せず、専用区画、契約、設備、継続性、そこで実際に事業を行えるかを個別に確認します。
また、代表者名義だけでは足りません。主要業務の大半を外部委託し、本人が重要な意思決定や業務執行に関与していない場合は、経営・管理活動の実態が問題となります。
納税・社会保険・労働法・営業許可も更新審査の対象
法人税、消費税、住民税等の申告・納付だけでなく、健康保険・厚生年金、雇用保険、労災保険、労働基準法、最低賃金法、必要な営業許可の取得状況も確認されます。問題がある場合は消極的要素となり、更新が認められないことがあります。
外国人雇用の賃金確認は、2026年最低賃金改定と外国人雇用、業種別許認可は外国人経営者の許認可支援をご参照ください。
2028年10月16日以降はどうなる?
基本線は改正後基準への適合です。ただし、公式Q&Aは、事業が良好で法人税等を適切に納付し、次回更新までに新基準を満たす見込みがある場合には、その他の在留状況も含めて総合判断すると説明しています。したがって、2028年10月16日は一律の「自動帰国期限」ではありません。一方、具体的な改善計画と裏付けがなければよいという意味でもありません。
経営・管理から永住を考えている場合
更新の経過措置と永住審査は別です。出入国在留管理庁は、施行日以降、改正後の経営・管理基準を満たしていない場合、経営・管理からの永住許可は認められないと案内しています。「更新できる可能性があるから永住でも問題ない」とは限りません。永住許可申請を検討する場合は、申請時期と新基準への適合を先に確認してください。
スタートアップビザは確認証明書の交付日を確認
2025年10月15日以前に確認証明書の交付を受け、特定活動44号で在留する人からの経営・管理への変更には、改正前の基準が適用されます。2025年10月16日以降に交付された確認証明書は新基準が前提です。スタートアップビザ利用者は申請日ではなく、確認証明書の交付日を確認してください。制度の概要は神奈川県スタートアップビザもご覧ください。
2026~2028年の準備ロードマップ
2026年 現状把握
- 資本金・常勤職員・日本語能力
- 売上、利益、契約と入出金
- 納税、社会保険、労働保険、許認可
- 次回更新日と永住申請計画
2027年 具体的対応
- 実行可能な増資・資金計画
- 対象となる常勤職員の採用
- 日本語対応者の確保
- 収益改善と法令遵守体制
2028年 最終確認
- 新基準ごとの証拠資料
- 未達項目と次回までの改善見込み
- 専門家評価が必要な場合の準備
- 更新・永住・他資格の方針
会社ごとに対応は異なります
全員が同じ順番で増資・採用を行うものではありません。決算、業種、雇用、家族関係、学歴・職歴、次回更新日を基に優先順位を決めます。
新基準に対応できない場合の選択肢
事情により、他の在留資格への変更、身分関係に基づく在留資格、就労資格、事業売却・廃業、帰国など複数の選択肢が考えられます。ただし、学歴、職歴、家族関係と実際の活動によって要件が異なります。「難しければ技人国へ変更すればよい」と一般化することはできません。
会社設計を見直す場合は外国人の会社設立支援、最新の申請手数料は入管手数料改定の記事をご確認ください。
よくある質問
1 2028年10月16日までに3,000万円を準備できなければ帰国ですか?
一律ではありません。2028年までは新基準未達だけで直ちに不許可とはされず、3年経過後も事業状況、納税、次回までの適合見込み等を含めた総合判断の余地があります。ただし、具体的な改善計画が重要です。
2 資本金3,000万円未満でも現在の更新はできますか?
可能性はありますが保証ではありません。経営状況、法令遵守、新基準への適合見込みと個別事情が確認されます。
3 2028年までは旧基準で更新できますか?
旧基準が無条件に保証される期間ではありません。経過措置中も事業実態や法令遵守等が審査されます。
4 3,000万円は預金残高でもよいですか?
法人では払込済資本金または出資総額が基準です。一時的な預金残高だけでは足りません。
5 売上が3,000万円あればよいですか?
いいえ。売上高と資本金等は別の概念です。
6 常勤職員は外国人でもよいですか?
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者など、対象となる在留資格なら可能です。
7 技人国の外国人社員を1人として数えられますか?
常勤職員雇用要件には数えられません。ただし、その職員が日本語B2相当を立証し、日本語能力の担当者となる余地はあります。
8 日本語B2は本人が必ず取る必要がありますか?
本人必須ではなく、常勤職員が満たすこともできます。JLPT N2だけが唯一の方法ではありません。
9 自宅を会社住所にしている場合は問題になりますか?
改正後の規模では住居兼用は原則として認められにくく、契約、専用区画、設備と事業実態を個別に確認する必要があります。
10 赤字会社でも更新できますか?
赤字だけで結論は決まりませんが、原因、改善可能性、債務超過、事業継続性を説明する資料が重要です。
11 社会保険未加入は更新に影響しますか?
加入義務があるのに未加入・未納の場合は消極的要素となり得ます。適用関係と是正状況を確認してください。
12 2028年までに永住申請すれば新基準を回避できますか?
できません。更新の経過措置と永住審査は別で、改正後基準への適合が永住審査にも関係します。
13 スタートアップビザからの変更にも新基準が適用されますか?
確認証明書が2025年10月15日以前に交付された場合は旧基準の経過措置があります。2025年10月16日以降の交付は新基準が前提です。
14 新基準を満たせない場合、他の在留資格へ変更できますか?
可能性は個別事情によります。学歴、職歴、家族関係、活動内容と受入先等を確認せずに変更可能とは判断できません。
経営・管理 新基準適合診断
現在の資本金、常勤職員、日本語能力、学歴・経験、事業所、経営実態、納税、社会保険、労働法、許認可、次回更新日、2028年基準への適合見込み、永住との関係、他資格の可能性をまとめて確認します。
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公式資料
最終更新日:2026年9月8日。制度・運用は変更されることがあります。申請前に最新の公式資料と個別事情をご確認ください。