かながわスタートアップ・ビザは終了していません|経営・管理ビザ新基準後の注意点

English version is available
Read this article in English
かながわスタートアップ・ビザ・外国人起業・経営管理

かながわスタートアップ・ビザは終了していません
ただし、経営・管理ビザ新基準への対応が重要です

かながわスタートアップ・ビザは、神奈川県内で起業を予定している外国人の方が、通常の「経営・管理」の要件を整える前に、一定期間、神奈川県内で起業準備活動を行うための制度です。

神奈川県公式ページでは、現在も制度が掲載されており、創業活動計画等を提出して神奈川県の確認を受けることにより、通常6か月間の「経営・管理」の在留資格が認められる仕組みと説明されています。

一方で、2025年10月16日から通常の「経営・管理」の基準が大きく厳格化されたため、スタートアップビザを利用する場合も、6か月後に新基準へ到達できる見通しを慎重に確認する必要があります。

かながわスタートアップ・ビザとは

かながわスタートアップ・ビザは、外国人の起業を促進するため、国家戦略特区に指定されている神奈川県で特例的に認められた制度です。

通常、外国人が「経営・管理」の在留資格を取得するためには、出入国在留管理庁への申請時点で、事務所の開設、常勤職員1人以上の雇用、資本金又は出資総額3,000万円以上などの要件を整えておく必要があります。

これに対し、かながわスタートアップ・ビザでは、これらの要件がまだ整っていない段階でも、創業活動計画等を神奈川県に提出し、6か月以内に通常の「経営・管理」要件を満たす見込みがあると確認された場合、入管の審査を経て、通常6か月間の「経営・管理」の在留資格が認められます。

かながわスタートアップビザの事業計画を相談する外国人起業家のイメージ
かながわスタートアップ・ビザでは、神奈川県内での起業計画と6か月後の経営・管理要件充足見込みが重要になります。

制度は継続。ただし旧情報のままでは危険です

以前のスタートアップビザ説明では、「資本金500万円」「常勤職員2名又は資本金500万円」「6か月以内に経営・管理へ変更」といった説明が使われていたことがあります。

しかし、2025年10月16日から通常の「経営・管理」の基準が改正され、資本金等3,000万円以上、常勤職員1名以上、日本語能力B2相当、経営経験又は関連学位などが重要な要件になりました。

重要:
かながわスタートアップ・ビザは「経営・管理ビザの要件が免除される制度」ではありません。6か月間の準備期間を利用して、通常の経営・管理の新基準に近づけるための制度です。

通常の経営・管理ビザ新基準との関係

項目 通常の経営・管理で求められる方向性 スタートアップビザでの実務上の見方
事業所 日本国内に独立した事業所を確保していることが必要です。 6か月以内に事業所を確保できる計画と具体性が必要です。バーチャルオフィスや自宅兼事務所は慎重な検討が必要です。
資本金等 資本金又は出資総額など、事業に供される財産が3,000万円以上であることが求められます。 6か月後に3,000万円以上を確保できる資金計画・送金計画・出資計画の具体性が重要です。
常勤職員 対象となる常勤職員1名以上の雇用が必要です。 雇用予定者、採用時期、給与、雇用条件、対象者の在留資格や身分関係を確認する必要があります。
日本語能力 申請人又は常勤職員のいずれかがB2相当の日本語能力を有することが重要です。 外国人起業家本人が日本語要件を満たさない場合、常勤職員側で要件を満たす設計も検討します。
経営経験・学歴 経営・管理又は事業分野に関する学位、又は一定の実務経験が問題になります。 履歴書、職務経歴、学位証明、過去の経営実績などを早期に確認する必要があります。

対象者

神奈川県公式情報では、対象者は「神奈川県内で起業を予定している外国人」とされ、原則として現在、外国に居住する方が想定されています。

日本国内にすでに在留している方が利用できるか、他の在留資格から変更できるかは、制度類型や個別事情によって慎重な確認が必要です。特に、神奈川県の制度と経済産業省版スタートアップビザは混同されやすいため注意が必要です。

対象事業

神奈川県公式情報では、対象事業として次のような分野が示されています。

  • 未病・ライフサイエンス事業
  • エネルギー関連事業
  • IT・ロボット事業
  • 観光事業
  • その他、神奈川県の産業の国際競争力強化や国際的な経済活動拠点性の向上に資するものとして、神奈川県知事が特に認める事業

どのような事業でも当然に対象になるわけではありません。事業内容、成長可能性、神奈川県内で実施する合理性、地域経済への貢献可能性を整理する必要があります。

申請の大まかな流れ

  • 神奈川県内で行う事業内容を整理する
  • 創業活動計画書、工程表、履歴書、誓約書などの申請書類を準備する
  • 神奈川県へ創業活動確認を申請する
  • 神奈川県の審査を受け、創業活動確認証明書の交付を受ける
  • 確認証明書等を添付して、出入国在留管理庁へ在留資格認定証明書交付申請を行う
  • 来日後、6か月間の起業準備活動を行う
  • 事業所、資本金、常勤職員、日本語対応体制等を整え、経営・管理の更新に備える
かながわスタートアップビザの申請書類と事業計画を確認するイメージ
創業活動計画書は、単なるアイデア説明ではなく、6か月後に新基準へ到達できる具体的な工程表として作成する必要があります。

実務上の注意点

1.「6か月あるから後で考える」は危険

スタートアップビザは準備期間を与える制度ですが、最初の段階で6か月後の到達可能性が確認されます。資本金、事業所、雇用、日本語対応体制を後回しにすると、更新時に大きな問題になる可能性があります。

2.事業計画は新基準を前提に作る

旧基準の資本金500万円を前提とした事業計画では、現在の経営・管理新基準に合わない可能性があります。売上計画、資金計画、採用計画、許認可、取引先、マーケット分析まで具体化する必要があります。

3.神奈川県内で起業する合理性が必要

神奈川県の制度である以上、なぜ神奈川県で起業するのか、横浜・川崎・県内産業との関係、顧客・取引先・拠点性などを説明できることが望ましいです。

4.入管審査は別に行われる

神奈川県の確認を受けたとしても、それだけで在留資格が必ず認められるわけではありません。最終的には出入国在留管理庁が在留資格該当性・上陸基準適合性等を審査します。

行政書士実務上のポイント:
かながわスタートアップ・ビザは、県への創業活動確認と入管への在留資格申請が連動する制度です。事業計画の作成段階から、県の確認と入管審査の両方を見据えて準備することが重要です。

当事務所でできること

トミーズリーガルサービス行政書士事務所では、かながわスタートアップ・ビザ、経営・管理ビザ、会社設立、外国人起業家の在留資格相談について、次のようなサポートを行っています。

  • かながわスタートアップ・ビザの利用可能性の初期確認
  • 事業内容、対象分野、神奈川県内での起業計画の整理
  • 創業活動計画書、工程表、履歴書等の作成支援
  • 経営・管理新基準を前提とした6か月後の到達可能性確認
  • 会社設立、事業所確保、許認可、雇用計画の整理
  • 在留資格認定証明書交付申請の書類整理・申請取次
  • 英語での説明・外国人起業家とのコミュニケーション支援
公式情報:
制度内容は変更される可能性があります。申請前には必ず神奈川県及び出入国在留管理庁の公式情報をご確認ください。
神奈川県:かながわスタートアップ・ビザ
出入国在留管理庁:在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について

神奈川県での起業・スタートアップビザをご相談ください

かながわスタートアップ・ビザは、制度自体は継続していますが、2025年の経営・管理ビザ新基準により、6か月後に目指すハードルは大きく上がっています。

神奈川県内で起業を検討している外国人起業家の方、海外在住の創業予定者を支援する企業・支援者の方は、早めにご相談ください。

トミーズリーガルサービス行政書士事務所
行政書士登録番号:21080644 / 申請取次行政書士番号:行-132021200250 / 登録支援機関登録番号:26登-013083
English version is available
Read this article in English