第二次出入国在留管理基本計画とは|2026年の在留審査・外国人雇用・永住許可
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第二次出入国在留管理基本計画とは|2026年の在留審査・外国人雇用・永住許可
2026年7月31日に公表された国の基本計画を、申請人・企業・提出資料・審査傾向の4つの視点から読み解きます。
2026年の入管政策は「方向性が公式化された」段階へ
出入国在留管理庁は2026年7月31日、第二次出入国在留管理基本計画を公表しました。計画は、外国人の受入れと共生を進める一方、ルールに基づく在留管理、違反への厳正な対応、行政機関間の情報連携、デジタル化を一体として進める構成です。
これまで議論や報道として現れていた論点の一部が、国の正式な政策計画に位置付けられました。ただし、計画に「検討する」と書かれた事項と、すでに施行済みの制度は同じではありません。この記事では次の区分を崩さずに整理します。
| 区分 | 意味 | 実務上の扱い |
|---|---|---|
| 現在の制度 | 現時点で適用される法令・公表基準 | 申請準備の直接の基準 |
| 基本計画 | 政府が公式に示した中期的な政策方針 | 将来の改正や審査運用を読む材料 |
| 今後の検討 | 具体的内容、開始時期、経過措置が未確定 | 確定事項として断定しない |
| 報道・実務傾向 | 制度化前の情報又は個別事案の傾向 | 公式資料と分けて確認する |
第二次基本計画の主なポイント
1.入国前から在留中までの確認
渡航前審査の仕組みであるJESTAについて、2028年度中の導入を目指す方針が示されました。入国前に渡航目的や滞在情報を得て、入国から出国までの情報を活用する方向です。
2.行政機関間の情報連携
マイナンバー制度を用いた情報連携について、2027年からの運用開始が予定されています。国民健康保険料、国民年金保険料、地方税、健康保険資格などの情報を在留審査等に活用する方向が記載されています。
3.在留実態の把握
在留資格に対応する活動と実態のずれを把握するため、地方公共団体との連携、勤務先への調査、各種データの分析を強める方針です。
4.秩序ある共生
日本語、日本の制度・ルール等を学ぶプログラムの試行、相談窓口の充実、地方公共団体や企業と連携した支援が検討されています。
5.違法滞在・違法就労への対応
不法滞在者の縮減、送還、出国支援、情報のデジタル分析、関係機関との連携、違法就労を助長する者への取締り強化が掲げられています。
6.保護と受入れの適正化
難民・補完的保護の適正かつ迅速な判断と支援、外国人材の受入れ方針、育成就労制度の施行準備も計画に含まれます。
4つの視点で見る実務への影響
申請人の視点
住所、職務内容、勤務先、収入、扶養関係、税・年金・健康保険、出入国歴などについて、届出と実態を一致させることが基本です。未納だけでなく、期限後納付や届出漏れが問題となる手続もあります。転職、休職、長期出国、副業、家族構成の変化があった場合は、必要な届出と説明資料を早めに整理してください。
企業・雇用主の視点
外国人雇用状況の届出情報と在留カード番号の照合はすでに進められています。今後は、雇用契約、給与台帳、社会保険、源泉徴収、就労場所、実際の職務内容が矛盾していないかを確認する重要性が高まります。在留資格上の活動と実務が一致しない配置や、名目的な雇用は避けなければなりません。
提出資料の視点
一つの証明書だけを整えるのではなく、申請書、雇用契約書、課税・納税証明書、年金記録、健康保険、給与明細、会社資料、住民登録関係書類を横断して確認します。数字や日付に差がある場合は、単なる誤記として放置せず、原因と時系列を説明できる状態にします。
審査傾向の視点
計画は「証拠に基づく在留管理」と事実調査の強化を掲げています。そのため、形式的に書類がそろっていても、在留資格の目的、勤務実態、公的義務、生活基盤が一貫しているかという観点が重要になります。ただし、個別の許否を計画文だけから予測することはできません。
永住許可の見直しはどこまで決まったのか
第二次基本計画は、永住許可について、許可前の在留状況や在留年数の調査、許可要件・運用の見直しを進める方向を示しました。さらに、一定水準以上の日本語能力、日本語や日本の制度・ルール等を学ぶプログラムの受講、独立生計要件、国益要件を含めて検討するとしています。
永住許可の現行要件は、永住許可申請2026のチェックリストで確認できます。報道された「厚生年金30年水準」と正式計画の関係は、永住申請と厚生年金30年水準の記事で分けて解説しています。
違法滞在・違法就労、送還・帰国支援
計画は、在留外国人を一律に厳しく扱うものではありません。適法に生活・就労する人の利便性向上と、違反事案への厳正な対応を並行して進める考え方です。不法滞在者の縮減、護送による送還、自主的な出国の促進、国外退去情報の連携、違法就労を仲介・助長する者への対応などが盛り込まれました。
企業側には、在留カードの確認だけでなく、就労可能な範囲、資格外活動許可、勤務時間、派遣・請負の実態、届出の履行を継続的に管理することが求められます。
「秩序ある共生」とは受入れ停止を意味しない
第二次基本計画は、厳格な在留管理だけでなく、円滑な受入れ、日本語学習、生活ルールの理解、相談支援、地域・企業による共生施策も柱にしています。人手不足に対応する外国人材の受入れと、地域社会の安心を両立させる設計です。
今すぐ確認したいチェックリスト
外国人本人
- 在留カード、旅券、届出内容と現住所が一致している
- 職務内容と在留資格の活動範囲が一致している
- 税、年金、健康保険を期限内に履行している
- 転職・退職・家族・所属機関の届出に漏れがない
- 申請書と公的記録の差を説明できる
企業・雇用主
- 在留カードと就労制限を定期確認している
- 雇用契約、給与、職務、就労場所が実態と一致する
- 外国人雇用状況の届出と入管関係届出を管理している
- 税務・社会保険・労務の記録に矛盾がない
- 更新・変更申請の期限から逆算して資料を準備する
まとめ
第二次出入国在留管理基本計画によって、入国前審査、行政情報の連携、在留実態の調査、永住許可の見直し、違法滞在・違法就労対策、そして共生支援の方向性が公式化されました。一方、計画の公表は個別要件の即時変更を意味しません。
申請人は公的義務と届出を期限内に整え、企業は雇用・職務・社会保険等の実態を継続管理し、申請時には複数資料の整合性を確認することが重要です。
公式資料
- 出入国在留管理庁「出入国在留管理基本計画」
- 「第二次出入国在留管理基本計画(概要)」PDF
- 「第二次出入国在留管理基本計画」本文PDF
- 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」
本記事は2026年8月1日時点の公表情報に基づく一般的な解説です。個別案件の許否を保証するものではありません。