外国人の土地取得ルールはどう変わる?経営・管理ビザと不動産取得を分けて解説

外国人経営者・日本進出企業・不動産関係者向け

外国人の土地取得ルールはどう変わる?経営・管理ビザと不動産取得を分けて解説

外国人による日本の土地・不動産取得について、現在すでに施行されている制度、 2026年に政府が検討している内容、経営・管理ビザの事業所要件を分けて整理します。

外国人 土地取得 2026年 重要土地等調査法 経営・管理ビザ 物件契約前確認

記事作成・公式情報確認日:2026年7月22日

英語版: この記事は英語でもご覧いただけます。

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まず結論

「外国人は今後、日本の土地を買えなくなるのでしょうか」 「日本で不動産を購入すれば、経営・管理ビザを取得できますか」 という相談が、外国人経営者、日本進出を検討する海外企業、 不動産会社及び支援事業者から増えています。

CURRENT RULE

全国一律の取得禁止はありません

2026年7月現在、外国人であることだけを理由に、 一般の土地・建物の取得を全国一律に禁止する制度はありません。

UNDER REVIEW

政府はルールを検討しています

安全保障、所有者情報、利用状況、水源地・地下水等の観点から、 新たなルールの骨格が検討されています。

SEPARATE SYSTEMS

土地取得とビザは別制度です

不動産を購入しただけで経営・管理ビザを取得できず、 ビザのために不動産購入が必須というわけでもありません。

BUSINESS USE

取得できても事業利用できるとは限りません

用途地域、管理規約、営業許可、消防、建築基準及び 契約上の制限を別に確認する必要があります。

重要: 2026年7月21日に 「外国人による土地取得等のルールの在り方検討会」の 第4回会合が開催されました。 ただし、記事確認時点では、第4回の配付資料、 議事要旨又は最終的な制度骨格本文は 公式ページに掲載されていません。 したがって、本記事では、許可制、審査付き事前届出制、 対象地域等を確定事項として記載していません。 [1] [2]

1.外国人は日本の土地・不動産を購入できるのか

一般の土地・建物は、外国人であることだけを理由に全面禁止されていません

現行制度では、外国人又は外国法人であることだけを理由に、 一般の土地や建物の所有が全国一律に禁止されているわけではありません。

法務省は、外国に住所を有する外国人又は外国法人が 所有権の登記名義人となる場合の登記手続と必要書類を公表しています。 不動産を取得した場合は、権利関係を公示し、 第三者に対抗するため、通常は所有権移転登記を行います。 [6] [7]

海外居住者・外国法人では追加書類が必要になることがあります

外国に住所を有する外国人又は外国法人が不動産の登記名義人となる場合は、 日本国内に住所を有する個人・法人とは異なる資料が 必要になることがあります。

  • 本国又は居住国の政府が作成した住所証明書
  • 公証人が作成した住所証明書と旅券の写し
  • 外国語資料の日本語訳
  • 外国法人の設立準拠法国、所在地及び法人資格に関する資料
  • 国内連絡先に関する情報又は国内連絡先がない旨の情報
  • 外国人所有者のローマ字氏名に関する資料

不動産会社、金融機関その他の取引関係者から、 本人確認、法人資格、株主・実質的支配者、取引目的、 購入資金の出所及び海外送金経路について 追加資料を求められることもあります。

非居住者は外為法上の報告を確認する必要があります

外為法上の「非居住者」が日本国内の不動産を取得する場合、 取引の内容や当事者の状況に応じて、 外為法上の報告が必要になることがあります。 ここでいう居住者・非居住者は、国籍だけで決まる概念ではありません。 また、外為法上の報告制度と、 不動産取得の許可制度は同じものではありません。 [12]

農地・森林・重要区域には別の制度があります

一般の土地・建物を取得できることと、 農地、森林又は重要施設周辺の土地を 同じ条件で取得・利用できることは別問題です。

  • 農地: 農地法上の許可要件があり、 投資目的の農地取得は認められません。
  • 森林: 地域森林計画対象森林の取得後、 原則として90日以内の届出が必要です。
  • 重要区域: 重要土地等調査法に基づく調査、利用規制又は 事前届出の対象となる場合があります。
  • 水源地・地下水: 自治体条例による地下水採取の許可・届出等を 確認する必要があります。

購入できることと、予定事業に使用できることは別です

所有権を取得できても、その場所で飲食店、民泊、工場、 倉庫、中古車置場等を運営できるとは限りません。

用途地域、建物用途、管理規約、売買・賃貸借契約、 消防設備、建築基準及び業種別の営業許可を 契約前に確認してください。

2.政府が検討する外国人の土地取得ルールとは

検討会の名称

内閣官房には、 「外国人による土地取得等のルールの在り方検討会」 が設置されています。

  • 第1回:2026年3月4日
  • 第2回:2026年4月9日
  • 第3回:2026年4月30日
  • 第4回:2026年7月21日

出典:内閣官房 「外国人による土地取得等のルールの在り方検討会」 [1]

骨太の方針2026で示された方向

「経済財政運営と改革の基本方針2026」では、 安全保障等の観点から、外国人の土地取得等のルールの骨格を 2026年夏に取りまとめること、 重要土地等調査法の執行体制を強化することが示されています。

また、地下水の適正な保全・利用を確保する仕組みや、 土地の取得・利用に関する情報把握と監督の制度について、 法制化を含めて検討するとされています。 [2]

施行済み

現在の個別制度

重要土地等調査法、農地法、森林法、 国土利用計画法、外為法及び自治体条例等は、 すでに適用されています。

政府方針

夏に骨格を取りまとめる方針

情報把握、監督、重要土地制度の執行強化及び 地下水保全制度を検討する方針が示されています。

未決定

具体的な規制方式

許可制か届出制か、対象者、対象地域、面積、 施行日、経過措置等は、記事確認時点で確定していません。

検討されている主な項目

第1回検討会資料等では、 次のような項目が論点として示されています。 [3]

  • 土地を取得した者の国籍、住所、居住地その他の所有者情報
  • 外国法人の設立国、代表者、役員、株主及び実質的支配者
  • 土地の取得目的及び取得後の利用状況
  • 防衛施設等の重要施設周辺
  • 国境離島及びその他の離島
  • 水源地域、森林及び地下水の採取・利用
  • 行政機関が保有する情報の連携
  • 取得後の調査、立入検査、監督、勧告及び命令の在り方
  • 投資協定、経済連携協定等の国際約束との整合性

許可制は「検討の選択肢」であり、決定事項ではありません

政府資料では、規制内容の選択肢として、 許可制、審査付き事前届出制、立入検査等が例示されています。 また、対象者についても、日本人・外国人を問わず対象とするか、 外国人に限定するかが検討事項とされています。

したがって、現段階で 「外国人向けの全国一律の許可制が決定した」 又は 「外国人は日本の土地を購入できなくなる」 と断定することはできません。

2026年7月22日時点で未決定の主な事項

  • 全国一律の許可制を導入するか
  • 外国人だけを対象とするか
  • 対象とする土地、建物、地域又は面積
  • 居住用・投資用・事業用不動産をどのように区分するか
  • 取得前審査と取得後調査をどのように組み合わせるか
  • 不許可、利用中止又は是正命令の具体的要件
  • 制度の施行日及び経過措置
  • すでに取得済みの不動産への適用関係
表1:現行制度と検討中の制度
項目 現在の制度 検討中の内容 実務上の注意点
一般の土地・建物取得 外国人又は外国法人であることだけを理由とする 全国一律の取得禁止はありません。 取得後は所有権移転登記等を行います。 取得者情報、取得目的、利用状況及び 監督制度の強化が検討されています。 購入可能性と事業利用可能性を分け、 登記、本人確認、資金及び送金資料を確認します。
重要施設周辺の土地 重要土地等調査法に基づく区域指定、 利用状況調査、勧告・命令及び 特別注視区域の事前届出があります。 執行体制、情報連携及び 土地利用監督の強化が示されています。 指定区域、面積、権利の種類及び 契約予定日を事前に確認します。
農地 国籍にかかわらず農地法上の許可要件があります。 投資目的で農地を取得することはできません。 国籍、在留状況及び法人関係情報の 把握・連携が進められています。 農業利用をしない場合は、 農地転用の可否を売買契約前に確認します。
森林 地域森林計画対象森林を取得した場合、 原則として90日以内の届出が必要です。 2026年4月から国籍等の記載事項が追加されています。 所有者・法人支配情報及び 利用状況の把握強化が検討されています。 登記地目だけで判断せず、 地域森林計画対象森林かを自治体に確認します。
水源地・地下水 地下水採取の許可・届出等を定める自治体条例があります。 全国一律の土地取得禁止制度ではありません。 全国的な実態把握、適正な保全・利用の仕組み及び 法制化を含む検討が進められています。 土地を所有しても、 地下水を無条件に採取・販売できるとは限りません。
外国法人による取得 一般不動産の登記名義人になることができます。 法人識別事項、設立準拠法国、 国内連絡先等が必要になる場合があります。 代表者、株主及び実質的支配者等の 把握強化が論点とされています。 外国語資料、翻訳、認証、株主構成及び 送金資料を早期に準備します。
経営・管理ビザ 入管法令上の許可基準により、 不動産取得とは別に審査されます。 土地取得検討会の制度と、 経営・管理ビザの許可基準は別です。 不動産を購入しても 在留資格が当然に許可されるわけではありません。
事業所要件 事業規模に応じた実際の事業所が必要です。 購入は必須ではなく、 適切な賃貸物件も対象になり得ます。 土地取得ルールの検討によって、 不動産所有がビザの必須要件になると 決まったわけではありません。 自宅兼事務所は現行運用上 原則として認められません。 使用権限、独立性及び事業実態を立証します。

3.重要土地等調査法とは

重要土地等調査法の正式名称は、 「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の 利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」 です。

防衛関係施設、海上保安庁施設、 一定の原子力関係施設・空港等の重要施設及び 国境離島等の機能を阻害する土地・建物の利用を 防止することを目的としています。 [4]

注視区域

重要施設の周囲おおむね1,000メートル以内や 国境離島等について、区域ごとに指定されます。

国は、指定区域内の土地・建物の所有者、 利用者、利用目的及び利用状況等を調査できます。

特別注視区域

重要施設等のうち、機能が特に重要で、 その機能を阻害することが容易である区域等が指定されます。

区域内の200平方メートル以上の一定の土地・建物について、 所有権等を移転・設定する契約を締結する場合、 売主・買主双方に事前届出が必要です。

利用状況調査

内閣府は、指定区域内の土地・建物について、 所有者、利用者、利用目的及び利用状況等を調査できます。 必要に応じて、関係行政機関や地方公共団体等から 情報提供を受ける仕組みがあります。

機能阻害行為に対する勧告・命令

指定区域内の土地等が、 重要施設又は国境離島等の機能を阻害する方法で 利用されている場合、国は利用中止等を勧告し、 勧告に従わない場合には命令を行うことができます。

内閣府の公表によると、 2026年3月31日現在、 勧告・命令は実施されていません。 [5]

特別注視区域の届出は全国一律の許可制ではありません

特別注視区域の事前届出は、 指定区域内の一定規模以上の取引について、 契約前に取引情報を届け出る制度です。

全国のすべての土地を購入するために 事前許可を受ける制度ではありません。

外国人だけを対象とする法律ではありません

重要土地等調査法は、 外国人だけを対象とする制度ではありません。 指定区域、利用状況、取引する権利及び面積等によって適用され、 日本人及び日本法人も対象になります。

横浜・神奈川で不動産を購入又は賃借する場合も、 契約前に内閣府の重要土地ウェブ地図で 最新の区域指定を確認することが重要です。

4.土地取得と経営・管理ビザは別の制度

この記事で最も重要な点です。

外国人が日本の不動産を所有できるかという問題と、 日本で事業を経営・管理するための在留資格が 許可されるかという問題は、 法律、管轄、審査対象及び必要資料が異なります。

不動産を購入しただけでは経営・管理ビザを取得できません

土地、マンション、事務所ビル、店舗又は倉庫を購入しても、 それだけで在留資格「経営・管理」が 許可されるわけではありません。

入管審査では、実際の経営・管理活動、資本金等、 常勤職員、日本語対応、申請者の経歴、事業計画、 事業所、許認可、資金形成、 事業の安定性及び継続性等が総合的に確認されます。 [8]

経営・管理ビザのために不動産購入が 必須というわけでもありません

経営・管理ビザでは、 実際の事業活動を行う事業所を確保する必要があります。 しかし、事業所を申請者又は会社が 所有していることまでは必須ではありません。

予定事業に適した賃貸事務所、店舗、倉庫、工場等について、 継続的かつ適法な使用権限と事業実態を説明できれば、 賃貸物件も事業所として審査対象になり得ます。

購入物件でも事業所要件を満たさないことがあります

  • 管理規約で事務所・店舗利用が禁止されている
  • 住居専用であり、実際の経営活動を行えない
  • 会社が使用できる状態で引き渡されていない
  • 事業規模に対応した面積、設備又は 従業員の執務場所がない
  • 他の事業者又は住居部分との区分が不明確である
  • 予定事業に必要な営業許可を取得できない
  • 在留申請時点で物件を継続使用できる根拠がない

不動産投資と日本での経営・管理活動は同じではありません

不動産を保有し、値上がりや賃料収入を受けるだけの投資活動と、 日本国内で継続的に事業を経営・管理する活動は同じではありません。

不動産賃貸業や不動産管理業を事業として行う場合でも、 物件数、管理体制、常勤職員、事業所、取引先、 収支計画、業務内容及び経営者本人の活動実態を 具体的に説明する必要があります。

表2:不動産取得と経営・管理ビザの違い
比較項目 不動産取得・登記 経営・管理ビザ
制度の目的 土地・建物の権利取得と、その権利関係の公示 日本で事業の経営又は管理を行う 外国人の在留活動を審査
管轄 法務局。物件や取引内容により自治体・関係省庁 法務省・出入国在留管理庁
審査・確認対象 当事者、物件、権利、登記原因、 本人確認、住所・法人資格等 経営活動、資本金等、雇用、日本語能力、 経歴、事業計画、事業所、許認可、 安定性・継続性等
主な必要資料 売買契約書、登記原因証明情報、 住所証明、法人資格資料、委任状等 会社登記、定款、事業計画書、資金資料、 雇用資料、事業所資料、許認可資料等
不動産所有の必要性 所有権を取得する取引では、 取得した所有権等について登記を行う 所有は必須ではありません。 要件を満たす賃貸事業所も対象になり得ます
許可又は登記の効果 取得した所有権等を登記記録上公示する 許可された在留期間中、 経営・管理に該当する活動を行える
主な注意点 登記をしても営業許可又は 在留資格を取得したことにはなりません ビザが許可されても、 不動産取得や営業許可が 自動的に完了するわけではありません

2025年10月16日施行後の 主な経営・管理ビザ基準

新規の在留資格認定証明書交付申請や 在留資格変更許可申請では、 改正後の基準を前提に準備する必要があります。

常勤職員: 対象となる常勤職員を1人以上雇用

資本金等: 法人の場合、原則として3,000万円以上

日本語能力: 申請者又は対象職員がB2相当以上

経歴: 対象分野の学位又は3年以上の経営・管理経験

事業計画: 対象専門家による具体性・合理性・実現可能性の確認

事業実態: 事業所、許認可、資金、取引及び経営者本人の活動

すでに「経営・管理」で在留している方の更新には 経過的な取扱いがあります。 新規申請と既存在留者の更新を 同じ基準で単純に判断しないでください。

詳細は 経営・管理ビザの2026年対応ページ もご確認ください。

5.経営・管理ビザの事業所要件

Modern office building representing business premises in Japan
不動産を所有しているかではなく、 予定事業を実際に行える事業所であるかを確認します。

事業のために継続して使用できる場所が必要です

事業所は、会社の本店所在地として 登記されているだけでは足りません。 実際の経営・管理活動に継続して使用でき、 会社又は事業者に適法な使用権限があることを 資料で説明します。

  • 所在地が具体的に特定されている
  • 事業用として継続使用できる契約又は権利がある
  • 事業規模に対応した面積、設備及び執務環境がある
  • 他の会社、利用者又は住居部分との区分を説明できる
  • 常勤職員が勤務できる環境がある
  • 予定事業に必要な営業許可を取得できる
  • 実際に業務を開始又は継続できる状態にある

自宅兼事務所

現在の出入国在留管理庁の案内では、 改正後の事業規模等に応じた事業所を 確保する必要があることから、 自宅を事業所と兼ねることは 原則として認められない と明示されています。 [8]

改正前の古い事例やウェブ記事だけを根拠に、 「居室を区切れば自宅兼事務所で申請できる」と 判断しないことが重要です。

レンタルオフィス・シェアオフィス

レンタルオフィス又はシェアオフィスという名称だけで、 必ず許可又は不許可になるわけではありません。 次の点を事業内容と合わせて個別に確認します。

  • 専用区画又は実質的に独立した執務場所があるか
  • 契約期間、更新条件及び使用時間に継続性があるか
  • 法人登記及び予定事業が契約上認められているか
  • 常勤職員が勤務できる広さと設備があるか
  • 業務資料、顧客情報及び個人情報を 適切に保管できるか
  • 郵便物、電話、来客及び会社表示を管理できるか
  • 他の利用者との区分及び 実際の使用状況を説明できるか

バーチャルオフィス

住所利用、郵便転送又は電話転送だけで、 実際の執務場所を使用できないバーチャルオフィスでは、 経営活動を行う事業所の実態を 立証することが一般に困難です。

ただし、サービス名称だけで判断するのではなく、 実際に提供される専用スペース、使用権限、 契約内容及び業務実態を確認します。

賃貸借契約上の使用目的

賃貸借契約が「住居専用」となっている場合、 会社の所在地として登記できたとしても、 事業所として適法・継続的に 使用できるとは限りません。

  • 事務所、店舗、倉庫、工場等として使用すること
  • 法人又は予定する事業者が使用すること
  • 実際に行う事業内容
  • 法人登記の可否
  • 看板、郵便受け、内装工事及び設備設置の可否
  • 常勤職員、来客、商品及び車両の出入り
  • 転貸又は無断の第三者使用に該当しないこと

事業所の実態を説明する資料

  • 売買契約書又は賃貸借契約書
  • 土地・建物の登記事項証明書
  • 物件の平面図及び区画図
  • 建物外観、入口、室内、各区画及び設備の写真
  • 会社名又は屋号の表示、郵便受け
  • 机、椅子、パソコン、電話その他の業務設備
  • 電気、通信、保険その他の契約資料
  • 管理会社又は所有者による事業利用承諾書
  • 管理規約及び使用細則
  • 営業許可証又は許可申請関係資料

看板、電話又は机が一つあれば足りるというものではありません。 契約、設備、使用状況及び事業内容が 相互に整合していることが重要です。

業種によって必要となる場所・設備が異なります

飲食店

店舗、厨房、客席、給排水、換気、 消防設備及び保健所の施設基準を確認します。

民泊・宿泊事業

宿泊施設、管理体制、消防、建物用途、 自治体条例及び管理規約を確認します。

中古車輸出・古物商

営業所、古物商許可、車両保管場所、 仕入れ・輸出管理及び車両動線を確認します。

倉庫・工場・整備場

用途地域、建物用途、騒音・振動、消防、 廃棄物、危険物及び車両出入りを確認します。

6.不動産を取得しても予定事業ができない場合

外国人の不動産購入が法律上可能であっても、 具体的な物件を予定事業に使えるとは限りません。

管理規約の禁止

マンション管理規約で事務所、店舗、民泊又は 不特定多数の来訪が禁止されている。

住居専用契約

賃貸借契約が住居専用で、 法人・事業利用が認められていない。

用途地域の制限

予定する店舗、工場、倉庫、ホテル、 整備場等を設置できない地域である。

建築・消防不適合

用途変更、避難経路、防火区画、排煙、 非常用照明等の基準を満たせない。

飲食店許可を取得できない

給排水、手洗い、シンク、厨房区画、 換気等が施設基準に適合しない。

旅館・民泊要件を満たさない

用途地域、消防、管理規約、 条例又は管理体制の要件に適合しない。

古物商営業所にできない

営業所としての使用権限、管理者又は 実際の営業実態を確保できない。

中古車置場に使えない

車両の搬出入、騒音、油類、洗車、整備、 廃棄物又は近隣対応に問題がある。

農地・森林手続が必要

農地転用、農地法上の許可又は森林取得届出等が必要で、 予定時期に利用できない。

マンションを購入すれば 飲食店や民泊を始められるわけではありません

区分所有建物を取得しても、管理規約、建物用途、 用途地域、消防、保健所の施設基準、 旅館業法又は住宅宿泊事業法等への 適合を確認する必要があります。

中古車輸出会社では 事務所と車両置場を分けて確認します

中古車輸出や自動車販売を行う場合、 経営管理を行う事務所と、 車両を保管・搬出入する場所が 別に必要になることがあります。 空き地を取得しただけで、車両置場、洗車場、 整備場又は作業場として使用できるとは限りません。

契約後に問題が分かると大きな損失になります

  • 手付金を返還してもらえない
  • 違約金又は早期解約費用が発生する
  • 内装・設備工事費が無駄になる
  • 営業許可を取得できない
  • 入管へ事業所の実態を立証できない
  • 開業及び在留申請のスケジュールが遅れる
  • 在留資格が不許可でも 賃料、ローン又は管理費が残る

売買契約又は賃貸借契約を締結する前に、 予定事業、物件用途、営業許可、 事業所要件及び在留申請時期を 並行して確認してください。

在留資格や営業許可を取得できなかった場合の 解除条件については、契約前に不動産会社及び 必要に応じて弁護士へ確認します。

7.外国人経営者が物件契約前に確認すべき事項

Property contract, house model and keys for a real estate transaction
契約を締結する前に、物件、事業、 許認可及び在留資格の条件を確認することが重要です。
表3:物件契約前の確認事項
確認項目 確認先 問題がある場合のリスク
物件所在地 不動産会社、登記事項証明書、自治体 区域規制、用途規制又は管轄行政機関を誤る
売買又は賃貸 不動産会社、契約書案 必要資金、使用権限、契約期間又は 解除条件が計画と合わない
所有者・賃借人・使用者 登記事項証明書、契約当事者、司法書士 無権限使用、無断転貸又は会社の使用権限不足
予定事業 行政書士、許認可担当行政機関 必要な営業許可の見落とし又は物件用途との不適合
用途地域 市区町村の都市計画担当部署 店舗、工場、倉庫、宿泊施設等として使用できない
建物用途 自治体建築担当部署、建築士、確認済証等 用途変更、大規模改修又は使用停止の問題
管理規約 管理会社、管理組合、売主 事務所、店舗、民泊等として使用できない
契約上の使用目的 貸主、管理会社、不動産会社 契約解除、更新拒絶又は 事業所資料としての立証不足
必要な営業許可 保健所、警察、自治体、行政書士 営業開始不能、無許可営業又は 在留審査上の不利益
消防・建築基準 消防署、自治体建築担当部署、建築士 高額な追加工事、開業延期又は使用不可
重要土地等調査法の区域 内閣府重要土地ウェブ地図 事前届出漏れ、契約日程への影響又は罰則リスク
農地・森林・水源地 農業委員会、市町村、都道府県 許可・届出漏れ又は目的どおり利用できない
購入資金の出所 金融機関、税理士、行政書士 本人確認、送金、税務又は在留申請で説明できない
海外送金の記録 金融機関、送金事業者 資金形成、払込み及び投資経緯の立証不足
株主・実質的支配者 会社資料、金融機関、専門家 取引時確認、銀行審査又は行政手続に支障
事業所の独立性 契約書、平面図、現地、入管提出資料 経営・管理ビザの事業所要件を立証できない
事業用設備 現地確認、設備業者、許認可窓口 予定事業を実施できない又は 高額な追加工事が必要
物件の引渡し時期 売買・賃貸借契約書、売主、貸主 在留申請時点で事業所を使用できない
在留申請時期 出入国在留管理庁、行政書士 会社設立、雇用、許認可及び開業計画と合わない
不許可時の解除条件 弁護士、不動産会社、契約当事者 ビザ又は営業許可が不成立でも 代金、賃料又は違約金が残る

8.よくある質問

Q1.外国人は日本の土地を購入できますか。

一般の土地・建物については、 外国人又は外国法人であることだけを理由とする 全国一律の購入禁止制度はありません。 ただし、重要土地等調査法、農地法、森林法、 外為法及び自治体条例等を確認する必要があります。

Q2.外国人の土地取得が禁止される予定ですか。

政府はルールの見直しを検討していますが、 記事確認時点で、外国人による全国一律の 土地取得禁止が決定したとは確認できません。 対象者、対象地、規制方式及び施行日は 今後の公式発表を確認する必要があります。

Q3.外国人による土地取得の許可制はすでに始まっていますか。

外国人による一般不動産の取得を 全国一律に許可制とする制度は、 記事確認時点では始まっていません。 農地法上の許可や、重要土地等調査法上の 事前届出等はありますが、 対象と制度目的が異なります。

Q4.重要土地等調査法は外国人だけを対象にしていますか。

いいえ。指定区域、利用状況、 取引する権利及び面積等に基づく制度であり、 日本人及び日本法人も対象になります。

Q5.不動産を購入すれば経営・管理ビザを取得できますか。

取得できません。不動産購入だけでは、 経営活動、事業規模、常勤職員、日本語能力、 経歴、事業計画、事業所、許認可及び 事業の継続性等を立証できません。

Q6.経営・管理ビザには不動産購入が必要ですか。

不動産購入は必須ではありません。 継続的かつ適法に事業利用できる 賃貸事務所、店舗、倉庫等も、 事業内容と使用実態に応じて 審査対象になり得ます。

Q7.賃貸事務所でも経営・管理ビザを申請できますか。

申請できます。ただし、契約上の使用目的、 法人又は事業者の使用権限、 事業規模に対応した広さ・設備及び 実際の使用状況を確認します。

Q8.自宅を会社の事務所として使用できますか。

現在の出入国在留管理庁の案内では、 自宅と事業所を兼ねることは 原則として認められないとされています。 改正前の古い事例だけで判断せず、 独立した事業所の確保を前提に検討してください。

Q9.シェアオフィスやレンタルオフィスでも申請できますか。

名称だけでは判断できません。 専用区画、継続的な使用権限、 常勤職員の勤務環境、業務資料の管理及び 契約上の事業利用等を個別に確認します。 実際の執務場所がない住所貸しだけでは、 事業所の実態を立証することが困難です。

Q10.マンションを購入して飲食店や民泊を始められますか。

購入しただけでは始められません。 用途地域、建物用途、管理規約、消防、 保健所の施設基準、旅館業法、 住宅宿泊事業法及び自治体条例等を確認します。

Q11.土地取得規制が強化されるとビザ審査にも影響しますか。

土地取得制度と経営・管理ビザは別制度です。 土地取得ルールが検討されていることだけを理由に、 経営・管理ビザを申請できなくなるわけではありません。

ただし、物件取得・利用が適法か、 事業所として使用できるか、 資金の出所を説明できるかという点は、 事業計画や提出資料に関係します。

Q12.物件契約前に行政書士へ相談できますか。

物件契約前の段階で、予定事業、必要な許認可、 経営・管理ビザの事業所要件、 会社設立及び在留申請の時期を確認できます。

不動産登記は司法書士、税務判断は税理士、 契約上の法的判断・紛争は弁護士、 不動産仲介は宅地建物取引業者と連携して確認します。

9.トミーズリーガルサービス行政書士事務所の支援内容

外国人経営者・外国法人の日本進出支援

  • 外国人経営者の日本進出相談
  • 経営・管理ビザの事前診断
  • 2025年10月16日施行後の許可基準の確認
  • 事業所要件及び物件資料の確認
  • 予定事業と物件用途の適合性確認
  • 会社設立後の在留資格認定証明書交付申請
  • 在留資格変更許可申請
  • 事業計画書、理由書及び入管説明資料の作成支援
  • 事業計画書の専門家確認に関する 対象専門家との連携調整
  • 古物商、飲食店、民泊等の関連許認可確認
  • 外国法人、外国人株主及び 実質的支配者に関する資料整理
  • 資金形成、海外送金及び出資経緯に関する資料整理
  • 司法書士、税理士、不動産会社、 弁護士、建築士等との連携

各専門家の主な担当領域

司法書士

不動産の権利関係、所有権移転登記、 会社設立登記等

税理士

不動産取得、会社運営、資金移動、 国際取引等に関する税務判断

弁護士

契約条項の法的判断、違約金、 解除条件及び紛争対応

宅地建物取引業者

物件紹介、重要事項説明、 売買・賃貸借契約の仲介

建築士等

建物用途、用途変更、建築基準、 設備及び改修可能性

行政書士

在留資格、事業計画、理由書、 営業許可等の行政手続

横浜・神奈川で経営・管理ビザを申請する 外国人経営者の方を中心に、 オンラインで全国からの相談に対応しています。 個別案件では、物件、事業内容及び必要手続に応じて 担当専門家を整理します。

10.まとめ

  • 現時点で、外国人による 全国一律の土地取得禁止はありません。
  • 政府は、安全保障、所有者情報、土地利用、 地下水等の観点から、新たなルールを検討しています。
  • 許可制、対象者、対象地域及び施行日は、 記事確認時点で確定していません。
  • 重要土地等調査法は、外国人だけではなく、 指定区域内の土地利用や一定の取引を対象とします。
  • 不動産所有と経営・管理ビザは、 目的・管轄・審査内容が異なる別制度です。
  • 不動産購入だけで 経営・管理ビザを取得することはできません。
  • 経営・管理ビザのために、 不動産購入が必須というわけでもありません。
  • 物件契約前に、事業利用可能性、許認可、 事業所要件及び在留申請時期を 確認することが重要です。

物件を契約する前に、 事業利用と経営・管理ビザの要件を確認しませんか

外国人経営者が日本で事務所、店舗、倉庫、 工場、車両置場等を購入又は賃借する場合、 不動産を取得できるかという問題と、 経営・管理ビザの事業所要件を満たすかという問題は、 別に確認する必要があります。

トミーズリーガルサービス行政書士事務所では、 物件契約前に、予定事業、物件用途、契約条件、 必要な営業許可及び在留資格上の要件を確認します。

対応地域: 横浜・神奈川を中心に、オンラインで全国対応

相談時に確認する主な資料

本人の国籍及び現在の在留資格

在留カード又は旅券

予定する事業内容

会社情報

株主及び役員構成

物件所在地

売買又は賃貸の別

物件図面

登記事項証明書

売買契約書案又は賃貸借契約書案

管理規約

用途地域・建物用途

必要な営業許可

資金計画及び送金資料

事業計画書

在留申請・物件引渡しの予定時期

参考にした一次情報

以下の公的機関の原文を、 2026年7月22日に確認しました。

  1. 内閣官房 外国人による土地取得等のルールの在り方検討会 。 第1回2026年3月4日、 第2回4月9日、第3回4月30日、 第4回7月21日。 確認日:2026年7月22日。
  2. 内閣府 経済財政運営と改革の基本方針2026 。 2026年7月21日閣議決定。 確認日:2026年7月22日。
  3. 内閣官房 外国人による土地取得等のルールの在り方検討会・ 第1回資料3 。 2026年3月4日。 確認日:2026年7月22日。
  4. 内閣府 重要土地等調査法 及び 特別注視区域における届出制度 。 届出様式は2026年4月1日変更。 確認日:2026年7月22日。
  5. 内閣府 勧告・命令の実施状況について 。 2026年3月31日現在。 確認日:2026年7月22日。
  6. 法務省民事局 外国居住の外国人や外国法人が所有権の 登記名義人となる登記の申請をする場合の 住所証明情報について 。 2023年12月20日公表。 2024年4月1日以後の申請に適用。 確認日:2026年7月22日。
  7. 法務省民事局 令和6年4月1日以降にする 所有権に関する登記の申請について 。 初回掲載2024年3月1日、 更新2024年12月20日。 確認日:2026年7月22日。
  8. 出入国在留管理庁 在留資格「経営・管理」に係る 上陸基準省令等の改正について 。 2025年10月16日施行。 FAQは2026年6月26日更新。 確認日:2026年7月22日。
  9. 農林水産省 令和6年に外国法人等により取得された農地は 全国の農地面積の0.004% 。 2025年9月16日公表。 確認日:2026年7月22日。
  10. 林野庁 森林の土地の所有者届出制度 。 2026年4月1日から 国籍等を含む届出事項に改正。 確認日:2026年7月22日。
  11. 内閣官房水循環政策本部事務局 地下水採取を規制している条例及び 外国人等による地下水採取事例に関する調査結果 。 2025年12月16日公表。 確認日:2026年7月22日。
  12. 日本銀行国際局 外為法の報告制度について 。 2026年4月版。 確認日:2026年7月22日。
  13. 国土交通省近畿地方整備局 用途地域 。 確認日:2026年7月22日。
  14. 神奈川県警察 古物営業許可申請手続 。 2026年7月10日更新。 確認日:2026年7月22日。