2026年6月開始「特定在留カード」とは?在留カードとマイナンバーカード一体化で何が変わる
2026年6月開始「特定在留カード」とは?在留カードとマイナンバーカード一体化で何が変わる
特定在留カードは、在留カードにマイナンバーカード機能を付加する新しい仕組みです。便利になる一方で、オンライン申請、交付期間、有効期限、企業側の確認実務には注意点があります。
English version: Specified Residence Card from June 2026
2026年6月から、「特定在留カード」という新しい制度が開始される予定です。これは、在留カードにマイナンバーカードとしての機能を付加し、在留カードとマイナンバーカードの機能を1枚で果たすことを可能にする制度です。
ただし、すべての外国人に自動的に交付される制度ではありません。取得は任意であり、引き続き通常の在留カードとマイナンバーカードを2枚持つことも可能です。また、2026年4月に公表・更新された入管庁の案内では、オンライン申請との関係、交付までの期間、マイナンバーカード機能の有効期間など、実務上重要な点が明確になっています。
この記事のポイント:特定在留カードは便利な制度ですが、当面は在留申請オンラインシステムでは特定在留カード交付申請を受け付けないとされています。希望する場合は、地方出入国在留管理局の窓口での手続が必要になる点に注意してください。
特定在留カードとは何ですか?
特定在留カードとは、マイナンバーカードとしての機能を付加するための措置が講じられた在留カードをいいます。特別永住者については、同様の制度として「特定特別永住者証明書」が設けられます。
特定在留カードは、番号利用法等の規定上、マイナンバーカードとみなされるため、在留カードとしての機能とマイナンバーカードとしての機能を1枚で果たすことができます。
いつから始まりますか?
入管庁の案内では、特定在留カード等の運用開始は2026年6月14日予定とされています。地方出入国在留管理局では、翌開庁日の2026年6月15日から特定在留カード等交付申請が行えるようになるとされています。
市区町村での取扱いについても、開庁日や窓口運用により異なる可能性があるため、実際に手続を行う場合は、入管庁及び市区町村の最新案内を確認する必要があります。
取得は義務ですか?
取得は義務ではありません。マイナンバーカードの取得が任意であるのと同様に、特定在留カード等の取得も任意です。
したがって、希望しない場合は、引き続き通常の在留カードとマイナンバーカードを2枚持つことができます。特定在留カード等を希望しない場合でも、新様式の在留カード等が交付される予定です。
特定在留カードは、本人確認、在留資格確認、マイナンバー管理が関係するため、制度の概要だけでなく実務上の動線確認が重要です。
どのような外国人が申請できますか?
特定在留カードの対象は、住民基本台帳に記録されている中長期在留者です。特別永住者については、特定特別永住者証明書の対象となります。
短期滞在者や、住民基本台帳に記録されていない外国人は、原則としてこの制度の対象ではありません。
申請はどこでできますか?
特定在留カード交付申請は、地方出入国在留管理局又は市区町村窓口で行うことができます。ただし、どこで申請できるかは、併せて行う手続の種類によって異なります。
| 手続場所 | 主な場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 地方出入国在留管理局 | 在留期間更新許可申請、在留資格変更許可申請、永住許可申請、在留カード再交付申請などに併せて行う場合 | 在留に係る申請や在留カードに係る届出は、引き続き地方入管で行います。 |
| 市区町村窓口 | 新規上陸後の住居地届出、住居地変更届出など、住居地の届出とみなされる手続を行う場合 | 市区町村ごとに受付開始日や窓口運用が異なる可能性があります。 |
在留申請オンラインシステムで一緒に申請できますか?
ここは非常に重要です。入管庁の案内では、当面の間、在留申請オンラインシステムを利用する場合には、特定在留カード交付申請を受け付けることができないとされています。
そのため、在留期間更新許可申請、在留資格変更許可申請、永住許可申請などと併せて特定在留カードの交付を希望する場合は、地方出入国在留管理局の窓口で手続を行う必要があります。
実務上の注意:オンライン申請を優先するのか、特定在留カードの交付申請を併せて行うため窓口申請にするのかで、手続の動線が変わります。行政書士、企業の人事担当者、登録支援機関は、本人の希望を事前に確認しておく必要があります。
交付までの期間は通常の在留カードと同じですか?
特定在留カード等は、通常の在留カードに比べて、交付までに10日ほど長くかかると案内されています。
勤務先への提出、海外渡航、住居地変更、銀行・携帯電話・行政手続などでカード確認が必要になる場合は、通常の在留カードよりも時間がかかる可能性を前提にスケジュールを組む必要があります。
申請すれば必ず特定在留カードが交付されますか?
申請を行っても、必ず特定在留カード等が交付されるわけではありません。個別の事情等により、通常の在留カード等が交付される場合があります。
したがって、特定在留カードを希望する場合でも、「希望すれば必ず1枚化される」と断定せず、申請時点の制度運用と個別事情を確認することが重要です。
更新申請中の特例期間とマイナンバーカード機能の関係
在留期間更新許可申請などを行い、審査中に本来の在留期間満了日を過ぎる場合、入管法上のいわゆる特例期間に入ることがあります。
しかし、特定在留カードのマイナンバーカード機能に係る有効期間は、本来の在留期間満了日までとされています。審査中に特例期間へ入る場合でも、本来の在留期限までに、市区町村でマイナンバーカード機能に係る有効期間の変更手続を行う必要があります。
重要:在留資格上の特例期間と、マイナンバーカード機能の有効期間は同じではありません。更新申請中だから何もしなくてよい、と誤解しないよう注意が必要です。
マイナ保険証・マイナ運転免許証として使えますか?
特定在留カード等は、マイナンバーカードと同様、マイナ保険証及びマイナ運転免許証として利用可能とされています。
ただし、マイナ運転免許証については、現在利用している方を含め、新たに交付される特定在留カード等には情報が自動的に引き継がれないとされています。そのため、別途、警察署等で免許情報の書込みに係る手続が必要です。
企業・雇用主は何に注意すべきですか?
外国人を雇用する企業では、在留カードの確認は重要な実務です。特定在留カードが導入されても、在留資格、在留期間の満了日、就労制限の有無、資格外活動許可の有無などを確認する必要がある点は変わりません。
一方で、特定在留カードの裏面にはマイナンバーが記載されます。企業が在留資格確認のためにカードを確認する場面では、マイナンバーの取得・保管ルールと、在留資格確認の記録管理を分けて考える必要があります。
会社側では、在留カード確認、本人確認、マイナンバー管理を混同しない体制づくりが大切です。
よくある誤解Q&A
Q1. 特定在留カードは全員に自動的に交付されますか?
いいえ。取得は任意です。希望しない場合は、通常の在留カードとマイナンバーカードを2枚持つことも可能です。
Q2. オンライン申請で在留期間更新をする場合、特定在留カードも一緒にもらえますか?
当面の間、在留申請オンラインシステムを利用する場合には、特定在留カード交付申請を受け付けることができないとされています。希望する場合は、地方出入国在留管理局の窓口での手続を検討する必要があります。
Q3. 申請すれば必ず特定在留カードになりますか?
いいえ。申請しても、個別の事情等により通常の在留カード等が交付される場合があります。
Q4. 空港で特定在留カードを受け取れますか?
できません。新規上陸の際、空港では通常の在留カードが交付されます。
Q5. 更新申請中の特例期間に入れば、マイナンバーカード機能もそのまま使えますか?
注意が必要です。マイナンバーカード機能に係る有効期間は、本来の在留期間満了日までとされています。本来の在留期限までに、市区町村で必要な変更手続を行う必要があります。
まとめ
特定在留カードは、在留カードとマイナンバーカードを1枚にまとめることで、外国人本人の利便性を高める制度です。一方で、取得は任意であり、オンライン申請では当面受付不可、交付まで約10日長い、特例期間とマイナンバーカード機能の有効期間は別であるなど、実務上の注意点があります。
外国人本人だけでなく、企業の人事担当者、登録支援機関、行政書士等の専門職も、制度開始後の実務運用を確認しながら対応する必要があります。
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