日本版ESTA「JESTA」導入へ|短期滞在・在留手数料引上げへの実務影響を解説
日本版ESTA「JESTA」導入へ|短期滞在・在留手数料引上げへの実務影響を解説
ビザ免除で日本に来る外国人にも、将来的に渡航前のオンライン認証が求められる可能性があります。 在留資格変更・更新・永住許可の新手数料は確定し、2026年10月1日以降の受付分から適用されます。 本記事では、外国人本人、企業担当者、海外取引先を招く事業者が注意すべきポイントを整理します。
電子渡航認証制度「JESTA」の創設を含む改正法は、2026年5月29日に成立し、6月5日に公布されました。 JESTAは、ビザ免除で日本に短期滞在する外国人などに対し、渡航前にオンラインで情報提供・認証を求める制度です。
これまで、査証免除国・地域の人が観光、親族訪問、短期商用などで日本に来る場合、 原則として事前にビザを取得せずに来日できるケースがありました。 しかし、JESTA導入後は、「ビザ免除だから何も準備しなくてよい」という扱いではなく、 渡航前にオンライン認証を受ける必要が生じる可能性があります。
1.JESTAとは何か
JESTAは、Japan Electronic System for Travel Authorization の略称として説明されている、 日本版の電子渡航認証制度です。米国のESTA、韓国のK-ETA、欧州のETIASのように、 入国前の段階で一定の情報をオンラインで提出させ、当局が事前確認を行う仕組みに近いものです。
現時点で想定される中心的な対象は、査証免除措置を利用して日本に短期滞在しようとする外国人です。 観光客だけでなく、短期商用、会議、研修、親族訪問、海外本社からの出張者などにも関係する可能性があります。
| 項目 | 現時点での整理 | 実務上の注意点 |
|---|---|---|
| 制度の性質 | 査証免除対象者等に対する電子渡航認証制度 | ビザそのものではありませんが、認証がないと搭乗・来日に影響する可能性があります。 |
| 対象者 | ビザ免除で短期滞在する外国人等が中心と見込まれます。 | 観光客だけでなく、短期商用、親族訪問、海外取引先の来日にも関係します。 |
| 開始時期 | 制度創設の改正法は成立・公布済みです。実際の開始日は今後の公式公表を確認してください。 | 実際の開始日、経過措置、システム運用開始日は今後の公表確認が必要です。 |
| 未確定事項 | 申請項目、手数料、有効期間、対応言語、代理申請の可否等 | 現時点で断定せず、公式情報の更新を確認する必要があります。 |
2.誰に影響するのか
JESTAは、単なる観光客向けの制度ではありません。 実務上は、日本に短期で人を呼ぶ側、つまり日本企業、学校、家族、支援者にも影響します。
たとえば、海外本社の担当者が日本の支店を訪問する場合、従来は航空券と宿泊先の手配を中心に準備していたケースでも、 将来的には「その人がJESTAの対象者か」「認証は取得済みか」「認証結果に問題はないか」を確認するフローが必要になります。
3.在留許可手数料は10月1日受付分から新料金
在留許可手数料は2026年10月1日以降に受付された申請から次の確定額となります。9月30日までの受付分は、許可が10月以降でも旧料金(変更・更新は窓口6,000円、オンライン5,500円、永住10,000円)です。
変更・更新は希望した期間ではなく、実際に許可された在留期間で決まります。政府手数料は当事務所報酬とは別に、原則として許可時に納付します。
| 許可された期間 | 窓口 | オンライン政府手数料 | 決済手数料 | オンライン合計 |
|---|---|---|---|---|
| 3か月以下 | 10,000円 | 10,000円 | 330円 | 10,330円 |
| 3か月超6か月以下 | 18,000円 | 15,000円 | 330円 | 15,330円 |
| 6か月超1年未満 | 25,000円 | 21,000円 | 330円 | 21,330円 |
| 1年 | 33,000円 | 27,000円 | 330円 | 27,330円 |
| 1年超3年未満 | 48,000円 | 42,000円 | 330円 | 42,330円 |
| 3年以上5年未満 | 64,000円 | 56,000円 | 550円 | 56,550円 |
| 5年以上 | 75,000円 | 65,000円 | 550円 | 65,550円 |
永住許可は200,000円です。既に永住者である方の在留カード有効期間更新は別手続で、通常の有効期間更新手数料は無料です。
オンライン決済手数料・納付方法(9月6日確認)
以下のオンライン金額には、政府手数料に加えて必要な決済手数料と、その合計を表示しています。10月1日以降受付のオンライン申請はコンビニ決済又は銀行決済です。収入印紙、クレジットカード及びQRコード決済は利用できません。正規の決済案内メールは no-reply@service-dgft.com から送信されます。
9月30日までに受付されたオンライン申請は、許可が10月以降でも旧料金・収入印紙納付です。窓口申請も引き続き収入印紙です。減額対象の疎明資料を提出する場合は窓口申請が必要で、オンラインでは申請できません。
再入国許可・就労資格証明書のオンライン政府手数料は据置きですが、10月1日以降受付分は決済手数料220円が別途必要です。合計は1回再入国3,720円、数次再入国6,720円、就労資格証明書1,820円です。
これらは当事務所報酬・Stripe決済とは別の制度です。詳しい決済操作及び減額の疎明資料は、今後の公式案内も確認してください。
公式料金改定 / 公式オンライン納付案内 / 減額制度
4.企業担当者が準備しておきたいこと
外国人材を雇用している企業、海外取引先を日本に招く企業、グループ会社間で出張者を受け入れる企業は、 次の点を社内フローに入れておくと安全です。
- 短期来日者が査証免除対象者か、ビザ取得が必要な国籍かを確認する。
- JESTA開始後は、航空券手配前または出発前に認証状況を確認する。
- 来日目的が短期滞在の範囲に収まるかを確認する。
- 日本国内で報酬を受ける活動、実質的な就労活動にならないか確認する。
- 中長期の就労・駐在・転勤の場合は、JESTAではなく在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更の要否を確認する。
- 在留資格更新・変更・永住申請の予定者について、確定した手数料改定と受付日の経過措置を踏まえてスケジュールを管理する。
特に注意すべきなのは、JESTAは「短期滞在のための事前認証」であり、 中長期の就労や在留を認める制度ではないという点です。 日本で働く、長期滞在する、会社を経営する、家族として在留する場合には、 それぞれの目的に合った在留資格が必要です。
5.外国人本人が確認すべきこと
外国人本人にとっては、次のような確認が重要になります。
- 自分の国籍が日本の査証免除対象か。
- 来日の目的が観光、親族訪問、短期商用など短期滞在の範囲か。
- JESTA開始後、自分が認証対象になるか。
- 過去の入国歴、オーバーステイ歴、退去強制歴、犯罪歴などが認証に影響する可能性がないか。
- 日本での在留資格変更や更新を予定している場合、手数料改定の時期と自分の申請時期が重ならないか。
6.今後の見通し
今回の改正から見える大きな流れは、日本の入管制度が 「来日前の事前確認」「デジタル化」「不適正な入国・在留の抑止」「費用負担の見直し」 を強めているということです。
これまで以上に、外国人本人も、受入れ企業も、在留期限や渡航直前になってから対応するのではなく、 早い段階で手続の要否、必要書類、費用、審査上のリスクを確認する必要があります。
特に、在留資格変更・更新、永住許可、短期滞在から中長期在留への移行、海外取引先の短期来日などは、 制度改正の影響を受けやすい分野です。今後の公式発表を確認しながら、実務対応を整理していくことが重要です。
在留資格・外国人雇用・短期来日の確認は早めに
トミーズリーガルサービス行政書士事務所では、在留資格の変更・更新、永住許可、 外国人雇用、短期滞在から中長期在留への移行可能性などについて、実務上の確認を行っています。 在留許可手数料の改定額・適用日は確定しています。JESTAの開始・運用の詳細は今後の公表を確認し、 今後日本に来る予定がある方、日本で在留を続ける方、外国人材を受け入れる企業は、早めに情報を整理しておくことをおすすめします。