留学生40万人時代|日本語学校・専門学校から就労ビザへ進む前に確認すべきこと

International Students and Immigration Practice

留学生40万人時代|日本語学校・専門学校から就労ビザへ進む前に確認すべきこと

外国人留学生数が過去最多となる中で、資格外活動、出席率、学業状況、卒業後の就労ビザ変更、企業側の採用前確認がますます重要になっています。

外国人留学生数が40万人を超え、過去最多に

文部科学省は、2026年5月29日、独立行政法人日本学生支援機構による「外国人留学生在籍状況調査」の結果を公表しました。 それによると、2025年5月1日現在の外国人留学生数は408,069人で、前年度から71,361人、21.2%増加し、前年度に続いて過去最大となりました。

学校種別では、大学等だけでなく、専修学校専門課程と日本語教育機関で大きな増加が見られます。 出身国・地域別では、中国、ネパール、ベトナムが上位であり、特にネパール、ミャンマー、スリランカ、バングラデシュなど南西アジア圏からの増加が目立つとされています。

留学生の増加は、日本社会にとって大きな可能性を持つ一方で、在留管理、資格外活動、学校での在籍状況、卒業後の進路確認の重要性も高めています。

40人クラスで考えると、専門学校では約7〜8人が留学生という規模感

40万人という数字は大きすぎて、実感しにくいかもしれません。 そこで、学校種別ごとに「40人クラスなら何人くらいが外国人留学生か」という形で見ると、状況が分かりやすくなります。

文部科学省の公表によると、2025年5月1日現在の外国人留学生数は408,069人です。 その内訳は、大学等が156,593人、専修学校専門課程が106,829人、日本語教育機関が140,174人、高等専門学校が527人です。

一方、令和7年度学校基本統計では、大学(学部・大学院)の在学者数は2,972,412人、短期大学は71,196人、専門学校は569,107人、高等専門学校は56,277人です。

40人クラス換算の概算

  • 大学等:外国人留学生156,593人 ÷ 大学・短大等の総在学者約3,043,608人 × 40人 = 約2.1人
  • 専門学校:外国人留学生106,829人 ÷ 専門学校総在学者569,107人 × 40人 = 約7.5人
  • 高等専門学校:外国人留学生527人 ÷ 高等専門学校総在学者56,277人 × 40人 = 約0.4人

これを単純に40人クラスに換算すると、大学等では40人中約2人、専門学校では40人中約7〜8人、高等専門学校では40人中約0.4人が外国人留学生という規模感になります。

特に注目すべきは専門学校です。 専門学校では、単純計算で40人クラスのうち約7〜8人が外国人留学生に相当する規模になっています。 つまり、留学生の在籍管理、資格外活動、卒業後の就労ビザ変更は、一部の学校だけの特殊な問題ではなく、専門学校や受入れ企業にとって日常的な実務課題になりつつあるといえます。

なお、日本語教育機関については、大学や専門学校のように日本人学生を含む総在学者数と単純比較するよりも、外国人留学生を主な対象とする教育機関として、在籍管理や進学・就職支援の質が特に重要になる分野として見るべきです。

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留学生の在留管理では、学業状況、資格外活動、卒業後の進路を一体として確認することが重要です。

「留学」は就労資格ではありません

在留資格「留学」は、日本で教育を受けるための在留資格です。 そのため、留学生がアルバイトなど収入を伴う活動を行う場合には、原則として資格外活動許可が必要です。

入管庁は、資格外活動許可について、現に有している在留資格に属さない収入活動又は報酬活動を行おうとする場合に必要な許可であると説明しています。 また、包括許可については、1週について28時間以内の活動が想定されています。

ただし、「週28時間以内なら常に問題ない」という理解は危険です。 学業に支障が出ている場合、出席率や成績に問題がある場合、許可の範囲を超える活動をしている場合には、在留期間更新や卒業後の在留資格変更で問題となる可能性があります。

留学生が特に確認すべきポイント

1.在留期限

在留期限が近い場合、更新申請や卒業後の変更申請のタイミングを早めに確認する必要があります。

2.出席率・成績

学校への出席状況や成績は、「留学」の活動を適切に行っていたかを説明する重要な資料になります。

3.資格外活動

アルバイト先、勤務時間、給与額、仕事内容が、資格外活動許可の範囲内か確認する必要があります。

4.卒業後の進路

就職、進学、就職活動継続など、卒業後の在留資格に合わせて準備すべき資料が変わります。

専門学校・大学から就労ビザへ進むときの注意点

留学生が卒業後に日本で働く場合、代表的な選択肢として「技術・人文知識・国際業務」、「特定技能1号」、「介護」、「高度専門職」、「内定後の特定活動」、「就職活動継続の特定活動」などが考えられます。

特に「技術・人文知識・国際業務」へ変更する場合は、本人の学歴、専攻内容、採用予定の職務内容、会社の事業内容、雇用契約、給与水準などを総合的に確認する必要があります。 単純作業が中心の業務や、専攻内容と職務内容の関連性が弱い業務では、許可が難しくなることがあります。

また、2026年4月15日以降の申請では、カテゴリー3又は4に該当する場合に、所属機関の代表者に関する申告書や、主に言語能力を用いて対人業務等に従事する場合の言語能力資料が必要となるケースがあります。 留学生の就職では、職務内容が「翻訳・通訳」「ホテルフロント」「接客を伴う業務」などに近い場合、追加資料の要否も確認しておく必要があります。

企業側も「採用できるか」だけでなく「在留資格に合うか」を確認する必要があります

人手不足の中で、アルバイト留学生をそのまま正社員として採用したいという企業は少なくありません。 しかし、現在アルバイトとして働いていることと、卒業後にその会社で就労ビザが許可されることは別問題です。

企業側は、採用前に少なくとも次の点を確認することが重要です。

  • 本人の在留カードと在留期限
  • 卒業見込み又は卒業証明
  • 専攻内容と採用予定職務の関連性
  • 雇用契約書の内容
  • 給与水準、勤務場所、勤務時間
  • 会社の事業内容と実体
  • 特定技能で採用する場合の分野、試験、支援体制
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卒業後の就労ビザ変更では、本人、学校、勤務先、提出資料の整合性が重要です。

本人・学校・勤務先・提出資料の4視点で確認する

留学生の在留期間更新や、卒業後の就労ビザ変更では、1つの資料だけで判断されるわけではありません。 実務上は、本人、学校、勤務先、提出資料の4つの視点から整合性を確認することが重要です。

本人側の確認

  • 在留期限
  • 出席率、成績、単位取得状況
  • 資格外活動の有無、勤務時間、給与額
  • 学費や生活費の説明
  • 過去の在留状況

学校側の確認

  • 在籍状況
  • 卒業見込み又は卒業証明
  • 成績証明
  • 専攻内容
  • 日本語教育機関の場合の進学・就職経緯

勤務先側の確認

  • 会社の実体
  • 雇用契約
  • 職務内容
  • 給与水準
  • 社会保険、税務、労務管理

提出資料側の確認

  • 申請書
  • 理由書
  • 雇用契約書
  • 会社資料
  • 学歴・成績資料
  • 資格外活動状況の説明資料

まとめ

外国人留学生数が40万人を超えたことは、日本で学び、日本で働きたい外国人が増えていることを示しています。 一方で、留学生本人にとっても、学校や企業にとっても、在留資格に合った活動を行い、必要な資料を整えることがこれまで以上に重要になります。

「留学生だからアルバイトできる」「卒業予定だから就労ビザに変更できる」と単純に考えるのではなく、資格外活動、出席率、学業状況、専攻内容、職務内容、会社側の受入れ体制を総合的に確認することが大切です。

留学から就労ビザへの変更・外国人採用の確認はご相談ください

トミーズリーガルサービス行政書士事務所では、留学生の在留期間更新、資格外活動、卒業後の就労ビザ変更、企業による外国人採用前の在留資格確認をサポートしています。

留学から「技術・人文知識・国際業務」への変更、特定技能での採用、専門学校卒業後の在留資格確認について不安がある場合は、個別事情を確認したうえでご相談ください。