日本版デジタルノマドビザとは?特定活動53号・54号の要件と注意点
日本版デジタルノマドビザとは?特定活動53号・54号の要件と注意点
日本でリモートワークをしながら短期滞在したい外国人向けに、対象国、年収要件、保険要件、家族帯同、在留カードが交付されない注意点を整理します。
日本でリモートワークをしながら一定期間滞在したい外国人向けに、在留資格「特定活動」の一類型として、いわゆる日本版デジタルノマドビザがあります。 ただし、この制度は日本企業に就職するためのビザではありません。海外企業又は海外顧客向けの国際的なリモートワークを前提とする制度です。
日本版デジタルノマドビザの概要
デジタルノマド向け特定活動は、日本に6か月を超えない期間滞在し、情報通信技術を用いて国際的なリモートワーク等を行う外国人を想定した制度です。
具体的には、外国法人等との雇用契約に基づき、日本から海外事業所の業務を行う活動、又は外国にある者に対してオンラインで有償の役務提供や物品販売等を行う活動が想定されています。
本人は特定活動53号、配偶者・子は特定活動54号
デジタルノマド本人は、一般に特定活動53号として整理されます。 また、本人の扶養を受ける配偶者又は子が帯同する場合は、特定活動54号として整理されます。
家族帯同が可能である一方、配偶者又は子についても対象国・地域、保険、身分関係資料などを確認する必要があります。
対象国・地域に該当するかを確認する
デジタルノマド向け特定活動は、すべての国籍の方が利用できる制度ではありません。 デジタルノマド本人として申請する場合、申請人は、出入国在留管理庁が公表している対象国・地域の国民又は市民である必要があります。
デジタルノマド本人の対象国・地域には、次の国・地域が含まれます。
オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、ブルネイ、ブルガリア、カナダ、チリ、クロアチア、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、香港、ハンガリー、アイスランド、インドネシア、アイルランド、イスラエル、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マレーシア、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ペルー、ポーランド、ポルトガル、カタール、韓国、ルーマニア、セルビア、シンガポール、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、タイ、トルコ、アラブ首長国連邦、英国、米国、ウルグアイ。
中国本土、ベトナム、フィリピン、ネパール、インド、スリランカ、バングラデシュ、パキスタンなどは、デジタルノマド本人の対象国・地域には含まれていません。 これらの国籍の方は、別の在留資格や短期滞在の可能性を検討する必要があります。
なお、帯同する配偶者又は子については、本人とは別に対象国・地域が定められています。 家族を一緒に呼びたい場合は、本人の対象国・地域だけでなく、配偶者又は子の対象国・地域も個別に確認する必要があります。
在留期間は6か月、更新は不可
デジタルノマド向け特定活動の在留期間は6か月です。 この在留期間は更新できません。
長期間日本に住むための在留資格ではなく、短期的に日本に滞在しながら海外向けのリモートワークを行う制度である点に注意が必要です。
対象となる活動:海外企業・海外顧客向けのリモートワーク
この制度で認められる活動は、海外企業又は海外顧客向けのリモートワークです。 日本国内の会社に雇用されて働くことや、日本国内の顧客に対して現地でサービスを提供することを目的とする場合は、制度趣旨に合わない可能性があります。
年収1,000万円以上の要件
デジタルノマド本人については、申請人個人の年収が1,000万円以上であることを証する書類が必要です。
例として、納税証明書、所得証明書、雇用契約書、取引先との契約書などが考えられます。 フリーランスや会社経営者の場合は、契約期間、契約金額、継続性などをどのように示すかが重要になります。
医療保険・旅行保険の補償額1,000万円以上
日本滞在中の死亡、負傷、疾病に対応する保険に加入していることも必要です。 特に、傷害疾病への治療費用補償額は1,000万円以上とされています。
クレジットカード付帯保険を利用する場合も、補償内容、補償期間、家族補償の範囲などを資料で確認する必要があります。
家族を帯同する場合の注意点
配偶者又は子を帯同する場合は、家族関係を証明する資料、扶養者であるデジタルノマド本人の旅券写し、保険資料などが必要になります。
また、本人と配偶者・子で対象国・地域の表が異なるため、家族全員が制度上対象になるかを事前に確認することが重要です。
在留カードが交付されない点に注意
デジタルノマド向け特定活動は、通常の中長期在留者とは異なり、在留カードが交付されない扱いです。
銀行口座、賃貸契約、携帯電話契約、各種本人確認などで在留カードを前提とする手続がある場合は、実務上の不便が生じる可能性があります。
日本国内企業で働く目的には使えない
この制度は、日本企業に就職するための在留資格ではありません。 日本国内の会社と雇用契約を結んで働く場合は、技術・人文知識・国際業務、経営・管理、特定技能など、別の在留資格を検討する必要があります。
申請前に確認すべき書類
- 本人の国籍又は地域が対象に含まれているか
- 日本滞在予定が6か月以内か
- 海外企業又は海外顧客向けのリモートワークであるか
- 本人個人の年収1,000万円以上を証明できるか
- 傷害疾病への治療費用補償額1,000万円以上の保険があるか
- 配偶者又は子を帯同する場合、家族分の要件を確認しているか
- 在留カードが交付されない点を理解しているか
トミーズリーガルサービス行政書士事務所に相談できること
デジタルノマド向け特定活動は、制度自体はシンプルに見えますが、実際には対象国、年収資料、保険資料、業務内容、家族帯同の有無を丁寧に確認する必要があります。
特に、日本国内企業との関係、日本国内顧客へのサービス提供、フリーランス契約の内容などは、個別事情によって判断が分かれる可能性があります。
デジタルノマドビザの該当性を確認したい方へ
トミーズリーガルサービス行政書士事務所では、外国人の在留資格申請に関するご相談を承っています。 日本でリモートワークをしながら滞在できるか、自分の働き方が制度の対象になるか、家族を帯同できるかを確認したい場合は、まず専用フォームから現在の状況をお知らせください。
トミーズリーガルサービス行政書士事務所
代表行政書士 富永 大祐
〒231-0868 神奈川県横浜市中区石川町1-13-2 THE HUB横浜元町102
電話:045-550-5135
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参考: 外務省「特定査証:特定活動(デジタルノマド・デジタルノマドの配偶者等)」、 出入国在留管理庁 対象国・地域PDF